Introduction

自分の写真
2010~2012プロアドベンチャーレースチームTeam EASTWINDメンバー(トレーニング生)として活動、2012年9月選手引退。 アウトドアライフ・スポーツの様々な楽しみ方、大会・イベント情報、和木香織利の私生活(IN&OUTDOOR)日記。2013年6月11日、第一子の女の子を出産し新たな人生のステージが始まりました。
Ex-Adventure Racer of Team EASTWIND(2010-2012), officially retired as a racer in September 2012. Introducing ways to enjoy outdoor activities, race and event information, and my private indoor&outdoor daily life.

2013年2月27日水曜日

2013/2/17 シーカヤック事故に遭った友人たち

2月17日(日)、朝ご飯を食べながらニュースを見ているとあるニュースが飛び込んできた。
市原市で男女ふたりの遺体が発見された。
カヤックの練習に出て行方がわからなくなっている男女ふたりの者か身元を確認している、と。

二人の年齢、住所、トレーニングしていた場所・・・ どれも心当たりが・・・
どうか人違いであってほしい。

どうにもこうにも胸騒ぎが止まらず、一本の電話を掛けたところ、その遺体はアドベンチャーレーサーである二人の友人、芝田敏仁さん(愛称:しばやん)と砂田芳子さん(愛称:ナディ)だと教えてくれた。

夕方になり警察が身元を確認したということで、報道では二人の名前が公表された。

報道だけでは何があったのか、どれだけの真相が明らかになっているのかは到底分からない。
しばやんとナディが所属していたアドベンチャーレースチームTeam Real Discoveryの小澤さんと南さんが発表してくれた内容を、彼らのブログからここで転作させていただきたい。

先日の砂田芳子さん、芝田敏仁さんの事故について


すでに、報道などでご存知の方も多いかと思いますが、Real Discoveryの一員である砂田芳子さん、芝田敏仁さんが2013216日シーカヤックのトレーニング中に行方不明となり、帰らぬ人となりました。お二人のご冥福をお祈り申し上げます。



アドベンチャーレースやカヤックなど多方面において、交友関係の広い二人ですので、少し状況をお話させていただければと思います。こうしている今も彼らが帰ってこないという事実が信じられない気持ちです。乱文になりますが、ご了承ください。




砂田さん、芝田さん、小澤、南の我々4名は、今年9月にオーストラリアにて開催されるアドベンチャーレースの世界シリーズ戦への参戦を決定しており、今回の事故は大会に向けて砂田さん、芝田さんの二人でカヤックトレーニングをしていて起きた出来事でした。



砂田さん(ナディ:以下愛称にて)は、2009年からReal Discoveryに参加しました。2010年にはオーストラリアにて開催されたアドベンチャーレースGeoQuest2011年にはオーストラリア・タスマニア島にて開催されたアドベンチャーレース世界選手権XPD2012年には単身で国際チームの一員としてパタゴニアン・エクスペディションレースに挑戦しました。彼女は、アドベンチャーレースに集中するために仕事も変え、特にカヤックの技術を磨くべくトレーニングを積み、昨今は国体選手としても活躍していました。



芝田さん(しばやん:以下愛称にて)は、アドベンチャーレース、ロゲイニング、MTBの経験歴はチーム4名の中で一番長く、国内レースで数々の優勝記録を持つ実力者です。MTBオリエンテーリングでは世界選手権に出場した経験もありました。海外アドベンチャーレースに挑戦したいという彼の意向を以前から聞いており、今年9月のレースに向けた新たなチームメンバーとして昨年11月からReal Discoveryに合流しました。



しばやんも加わったことで、昨年11月からチーム練習・チーム会議を重ねて、互いの信頼を高め一つのチームになり始めていました。2月初旬のチーム会議では、9月の海外レースで5位以内という目標設定も明確になりました。目標順位もありますが、過去2回の海外レースでリタイヤという結果から悔し涙を飲んだナディを今回はゴールで嬉し泣きさせてやるというのが、チーム全員の約束にもなりました。



216日は4人そろったチーム練習は予定しておらず、都合のあった二人での練習でした。チーム全体のパドリング技術を底上げしたいとチームで議論していたので、都合つけば可能なメンバーで集まって練習をすることはよくやっていました。



215日金曜日に、慎重な性格のしばやんから「海が荒れていたら、、、無理しない方向で、、、まだ安全第一でいきましょう~~」とチーム共有メールがありました。当日の朝も、しばやんとナディはそれぞれの家族に「無理はせず川で練習してくる」と言って家を出たそうです。当日は気温も低く、陸からの強風があり、我々も注意をするようメールで促していました。



ナディが所属するカヌー協会による練習が当日予定されていましたが、強風のため練習は中止になっていたそうです。ナディとしばやんは、協会の練習とは別に、レースに向けた練習ということで流れの少ない運河のような川に入りました。あのような低気温かつ強風の状況において、彼らは家族に伝えたように海に出ずに岸壁にかこまれた川を数往復(往復で6km程度)するはずで、これは過去にも実施していました。



また、自然を相手にしたスポーツをやる以上、最大級のリスク管理をもって望まなくてはならない。彼らはそれを知っていました。セルフレスキューのスキルもありました。



しかし、事故は起こりました。結果としてナディとしばやんは帰らぬ人となってしまいました。今となっては、真相はわかりません。川に出た後、何が起きたのかは彼らしかわかりません。



本当に無念としか言いようがありません。



最後に、改めてナディとしばやんのご冥福をお祈り申し上げます。



2013219日 

Adventure Race Team Real Discovery

小澤 郷司、南 大介


すでにナディとしばやんがどんな女性だったかは上記で紹介されているが、私からも一友人として紹介させていただきたいと思う。
ナディ

ナディは2011年に豪州タスマニアのアドベンチャーレース世界選手権にTeam Real Discoveryメンバーとして、2012年のパタゴニア・エクスペディションレースでは外国人選手とチームを組んで出場した。
言葉の壁を乗り越え外国人レーサー3人とパタゴニアの大自然に挑み、その際にマゼラン海峡をカヤックで横断している実力者。カヌーの元国体選手でもあった。
アドベンチャーレースを心から愛し、次の目標に向けて日々トレーニングに励んでいた。

2年前のARJS岐阜長良川大会のラフティングレースにて、チームメンバーと3人でラフトボートに乗り込んだナディ。ゲートを通過するために急流を遡るが、なかなかボートが進まない。
私は陸から観戦していた。するとナディが男性メンバー2人を差し置いて、ボートから飛び降りて一人で男性メンバー2人が乗った大きなボートを引っ張り始めた! 
周囲からは「おぉ~~~!!ナディがんばれ!!」と歓声が上がった。流石ナディ!

2011年、豪州タスマニア島でのアドベンチャーレース世界選手権。
Team Real Discovery(RD)がフィニッシュしたと聞いて、私はEast Windのメンバーと共に早速ゴール地点へ向かった。ナディは目に涙を浮かべ、「わっき~!!!」と私をハグしてくれた、が! 
足の親指の爪が剥がれかかっていたのでビーサンを履いていた私の足を、ナディがハグしに来たときに踏んでしまい、こちらは泣き笑い。
結局ナディが私の足を踏んでくれた御蔭で爪は剥がれ、ナディは謝りつつも私としては「御蔭で爪剥がれたからよかったよ!ありがとう!」と二人で泣きながら笑った。

あの時ナディが流した涙は私のとはちがい、完走出来なかった悔しさだった。

2012年パタゴニア、私が紹介した海外選手とチームを組むことになり、一度も会ったことのないメンバーと現地で初対面しレースに参戦した。
完走が果たせず、リタイアした際ナディは号泣した。スタッフのPeteさんの腕の中で1時間泣き続けた。
リタイアした際のすごく印象的な写真。この一枚で彼女の悔しさ全てが伝わってくる。


このときのメンバー、ナディについて「彼女はこれまで出会ったなかで、最高の女性レーサーだ」とコメントしていた。
実は今年の2013年のパタゴニアも、ナディはこのチームで再び挑戦する計画を立てていた。
昨年ナディに悔しい思いをさせてしまった、今年こそは絶対に一緒に完走したい、メンバーはそう思っていた。
残念ながらナディの都合がつかなくなり今年のパタゴニア参戦を断念、全てを今年9月オーストラリアでのワールドシリーズのレースに賭けることにしていた。RDのブログでもあるように、RDメンバーも同じように「ナディに嬉し泣きさせてやる」という思いだった。

世界で活躍したナディの訃報は、世界のアドベンチャー界のニュースでも取り上げられ彼女を知っていた沢山の海外レーサーを悲しませている。


しばやん

つい先月、一緒に河口湖の友人宅を訪ね、食べて飲んで踊って騒いで、翌日は一緒にスノーシューを楽しんだ。彼の訃報を受けて、過去の写真を見ていたらしばやんとは本当に楽しい思い出が一杯だった。

常に日本のアドベンチャーレース界のトップ選手であるのに、まったくそんな風に振舞わなかった芝やん。周囲からは愛され、いじられ、体力・技術・レーサーとしての情熱が誰よりもあるのにトランジットでは一番遅かった。(そしていつもお尻丸出しでの着替え・・・ 笑)
とにかく用心深い彼だから、準備はトゥーマッチなくらいに入念。
レース前の入念な情報収、時には細かすぎるぐらい慎重な人だった。

彼は多くの選手の憧れであったし、私もいつかしばやんと一緒にレースに出てみたいと常常思っていた。彼のアドベンチャーレースに対する情熱、実力、人柄、全てが魅力的な人だった。

2010年、仲間内で行なった「ラウンド富士」という大会に一緒にチームを組んで出場し、優勝を果たした。大会前に現地へ赴いてコースを調査し、彼が立てた綿密な作戦が功を奏しての優勝だった。


また私にとっては最高のトレーニング仲間でもあった。
2010年日本山岳耐久レース直前には、仕事を終えて最終電車で武蔵五日市へ行き夜明けまで奥多摩の山を共に走った。
走りながら、そのあとビールを呑みながら、アドベンチャーレースについて語りまくった。
マウンテンバイクのトレーニング、都内の陸上競技場で走り込み、昨年秋には北アルプスで一緒に登山を楽しんだ。

日本のアドベンチャーレースでは常にトップで活躍してきた彼が、今年RDのメンバーとして世界のアドベンチャーレースに挑戦することになり、より一層気合が入っていた。

何をするにもこの大会へ向けてのトレーニングを意識して活動していたため、去年秋に一緒に北アルプスへ行ったときも自ら「荷物持ち」を買って出て、私の荷物も運んでもらった。

レースになると「大人気無い」ことで有名なしばやんだった。


彼は常に情熱的で、アドベンチャーレースを愛していて、一生懸命で一緒に活動していて最高に楽しい人だった。

先月しばやんが私に譲ってくれたスノーシューは、しばやんの形見になってしまった。





ナディとしばやん二人の写真をこうして眺めていると本当に楽しい思い出ばかりが蘇ってくる。

だから今は、涙と感謝の言葉しか出てこない。

ナディ、芝やん、沢山の写真に残されたあなたたちの笑顔から、これまでの人生を精一杯に全力で生きたということが伝わってきます。
本当に素敵なあなたたちと知り合えて、素晴らしい時間を共有できたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

あなたたちが命を亡くした事故、絶対に無駄にしない。
残された私たちはあなたたちをずっと忘れないで、これからも大自然と向き合い、同じような事故が起きないよう務めていく。

2013年2月22日金曜日

PER2013 East Windはメンバーが代わっても強い

East Wind、Punta Arenasにて沢山の方たちに出迎えられてのゴール!


East Wind本当にお疲れ様。
11チーム中準優勝、完走したチームはたったの3チーム。
昨年の1~3位と同じチーム、同じ順位。

これで一つ証明された大きな事実、「East Windはメンバーが代わっても強かった」

田中さんと陽希のコンビが素晴らしいリーダーシップを発揮したに違いない。
傍から見てても昨年よりも勢いがあったかもしれない。
優勝を狙う決意と執着心が感じられたレースだったと思う。

割とスムーズなレース展開だったように思えるかもしれないが、エクスペディション・レースではどのチームにも必ず壮絶なドラマがあるもの。

今回East Windにはどんなドラマがあったのか、報告会を是非開催してもらいたい。

最終結果として、Adidasが優勝となっているがAdidasは最後のカヤックセクションを行わずに、MTBでゴールした。
GearJunkieもショートカットをしたため、全コースを完全完走したのはEast Windのみということになる。

ということは、最終的にはEast Windが優勝じゃないの?
と・・・ 思いたいところだが、恐らく競技としてのフィニッシュは最後のトレッキングの終了地点CP16だったのではないかと思う。

真相や如何に・・・  笑

2013年2月21日木曜日

PER2013 Adidas(英)5連覇

Adidas TERREX Prunesco(英)が独走をキープして、5年連続の優勝となった。

今年のゴールは会場でもあるPunta Arenasの街中

Congratulations Adidas TERREX Prunc8日間走り続けた。
残念ながらEast Windは彼らの背中に追いつくことができなかったが、Adidasも必死に逃げていたにに違いない。

最初で最後に公開された、East Windレース中の写真

写真を見る限り、厳しい顔つきだが勢い良く進んでいることが伺える。
恐らく昨日か一昨日のトレッキング中の写真だと思う。

現在現地時間は2月21日午前10:00、1時間前の情報でEast WindはCP16から最後の41kmのカヤックをスタートするとのことだった。天候は安定しているとのこと。
カヤックは6時間ほどで終わるので、18:00(日本時間2月22日午前6:00)にはEast Windがフィニッシュテープを切るだろうとの情報だった。

11チーム中完走チームはたったの3チーム。
フィニッシュしたAdidasのコメントによると、これまでで一番タフなコースだったけどとても美しかったとのこと。

2年前の2011年PERも物凄く厳しかった。
その時もAdidasのメンバーが「キツすぎる」とコメントしており、私は正直、恐らくこれ以上タフなレース(コース)は無いんじゃないかと思ったぐらいだったが・・・

言葉では表せないほど厳しく、それ以上に美しいのがパタゴニアの大自然だと思う。

明日の朝、日本の皆さんが起きる頃にはEast Windは大きな笑顔でフィニッシュテープを切っていることでしょう!!!

2013年2月19日火曜日

PER2013 8日目、終盤に入りました

2月12日にスタートしたPatagonian Expedition Race2013、今日2月19日でレース8日目となる。
いよいよ残るはあと2日!!

これまで一週間以上もパタゴニアの厳しい大自然のなか走り続けている選手たち。すでに約550kmを走破している。残るはあと150km!
彼らの身体はボロボロに違いないが、この残った3チームはスゴイ精神力を維持して最後の追い込みに入るのだろう。

一昨日Berghaus(ドイツ)がリタイアし、それからは3チームの戦い。
日本時間2月19日午前9:00現在の順位は変動なしで、

1.Adidas TERREX Prunesco (イギリス)
2.East Wind (日本)
3.GearJunkie Yogaslackers (アメリカ)

5時間前に公表された主催者からの情報によると、
Adidasは最後の山場である91kmのトレッキングの51km地点のCP14にもうすぐ到着するとのこと。トレッキングは残すところあと40km、そしてカヤック41kmとMTB30kmでゴールとなる。
East Windは91kmトレッキングのスタート地点、CP13を通過した模様。
GearJunkieはCP12を午前7時(日本時間2/18 19:00)に通過。

また各チームのCP12通過時刻が発表された。
1.Adidas 2/16 深夜
2.East Wind 2/16 18:20
3.GearJunkie 2/17 6:45到着 7:50出発

AdidasとEast Windの差が18時間。
GPSをチェックしたところ、距離にして60km以上の差が開いているのでこの時間差に間違えは無さそう。

現在East WindはCP14に向かってトレッキング中。
CP16で91kmのトレッキングが終わるが、マップを見る限りやはりここも湿地が多く、川の渡渉もいくつかある。

主催者が昨日は珍しく天気が良いと言っていた。今年のレースは天候には恵まれなかったようだ。
パタゴニアで天候が悪いと、良いときとは比べものにならないぐらいキツイレースとなる。
そしてどうやら今夜も雪らしい・・・

Adidasのスピードはやはり只者ではない。
トップにいるチームはいつまで最後まで後続チームとの差は分からないので、恐らく相当プッシュしてきたに違いない。East Windも大健闘をしている。

残りあと2日、ゴールが見えてきています!!

2013年2月17日日曜日

PER2013 6日目突入 残り3チーム

現在、日本では2月17日の13:00。既にPER2013は6日目に突入。

順位の変動はないが、4位のBerghausが関門にかかりCP7でリタイアとなった。

1.Adidas TERREX Prunesco (イギリス)
2.East Wind (日本)
3.GearJunki-Yogaslackers (アメリカ)
4.Berghaus (ドイツ)


現在のところ、Adidasは日本時間の昨夜21:55にCP12を通過し、161kmのMTBに入ったという。恐らくもう今頃は後半の、そして今レースでの最大の山場の91kmの長距離トレッキングに入っている頃だろう。

10時間前の情報では、East WindはCP12を目指してトレッキング中で、もうすぐ難しいエリアに入るとのこと。ここは広い谷だが谷底は全面的に湿地で足場が悪く、斜面は藪と倒木だらけのエリア。湿地を進むか、斜面を行くか、さらに高巻きして歩きやすい場所を行くか・・・

2時間半前のGPSトラッキングでは、East Windはまさにこの谷のど真ん中、すごく複雑な地形の中にいる。CP12まであと20kmはありそうだ。
GearJunkieはEast Windのさらに20km後ろ。



序盤でリタイアし3度目の出場だったTeam Four ContinentsのキャプテンであるTaz Laurieから昨日メールを頂いた。そこには序盤の氷河トレッキングセクションで地獄のような思いをしたということが、事細かく書いてあった・・・  クレバスだらけの氷原で強風に見舞われ、夜になってしまい先へ進むことが不可能と判断、一緒にいたチリのチームと安全確保のため一緒にキャンプしたが、Tazのチームは氷原で強風のなかキャンプできるような装備(テント)は持っておらず(氷原でキャンプすることは予測していなかった。氷原はたったの12km、しかも日中に通過できるはずだった)チリチームの4人用テントで8人で一夜を過ごしたという。レースどころではなくサバイバルだったらしい。

East Wind、ここの谷さえ抜ければ苦しい箇所は終わりそう?
この時点ではAdidasとの差は、悲しいかなかなり開いてきてしまっている感じがする。
相変わらずチームの正確なCP通過情報が不明なため、はっきりした差は分からないが・・・

Adidasとの差は開いているものの、East Windのチームの状態はとてもいいと思う。
主催者からの情報でもGood spiritを保っている、とのこと。

PERは精神力の勝負。恐らくほかのリタイアしたチームに関しても、East Windメンバーより体力がなかったかといえば、必ずしもそうではない。体力の限界の前に皆、心が折れてしまうのだ。
終わりが見えない藪、永遠に続く湿地帯、強風、雨、寒さ、ほんっとうに次から次へと困難が降りかかってくるのがパタゴニアエクスペディションレース。
そんな中でも、メンバー全員が心を一つにして前を向いて、明るくとにかく突き進む。
何度厳しい困難が訪れようと、いちいち落胆せずに前進あるのみ。
それがパタゴニアエクスペディションレースの戦い方で、East Windメンバーはそれを間違いなくこなせている。
トップで残りの3チームは既にPERを3回以上経験している。今繰り広げられているのは究極の戦いだと思う。

まだまだレースはこれから終盤で、ここからが勝負!!

ダッチオーブン@キッチン ローストビーフの巻

現在PER2013の真っ最中だが、チームイーストウインドのことばかり考えているわけではない。
最近新居に引っ越してそれなりにキッチンも整ってきて、日々思う存分料理ができるのでとても楽しい。

ダッチオーブンといえばアウトドアクッキングと思われる方も少なくないのでは。
最近、新富士バーナー社のSOTOステンレスダッチオーブンを手に入れた。
友人の木村東吉さん、「モデル」「アウトドアエッセイスト」といった肩書きだが、実は料理家でもある。
いつも木村家に遊びにいくと東吉さんの指示のもと皆で料理をする。それが物凄く楽しく、めちゃくちゃ美味しい料理ができる。

そんな東吉さんに「キッチングッズでなにかオススメは?」と聞いたところ、「キッチングッズというよりアウトドアグッズだが、キッチンでも使える」ということでオススメ頂いたのが、このSOTOのステンレスダッチオーブンだった。


ダッチオーブンといえば、なんだか面倒くさいイメージだったけどこの商品はステンレスということえ、シーズニング要らず、錆びにくく、なんと言っても手入れが簡単。

ダッチオーブン料理@キッチンの一品目はローストビーフ!


かなりイイ具合にできました。

ソースは醤油、みりん、酒、はちみつを使用。
さび・しょうが・にんにく醤油もとても合ったので色んな味を楽しむことができた。

2013年2月16日土曜日

パタゴニアエクスペディションレース2013 5日目突入

あと2時間で4日目も終わり、5日目に突入する。

順位は変わらず、
1.Adidas TERREX Prunesco (イギリス)
2.East Wind (日本)
3.GearJunki-Yogaslackers (アメリカ)
4.Berghaus (ドイツ)

ただ主催者からの情報では、「XXのチームがCP○を通過した」との情報が殆どで、はっきりした通過時刻は不明。チーム間のはっきりとした差はよく分からない。唯一正確にわかっているのは、AdidasがMTB、カヤック、MTBを終えてCP11を現地時間4:20に通過したということだけだ。現在CP12へ向けて42kmのトレッキング中。

East Windは多分、現在CP8~CP10のカヤック中(24km)だがあと1時間ほどで暗くなりダークゾーンとなる。もしダークゾーンに引っかかってしまえば、そこで水からでなければならず明るくなるまで待機しなければならない。しかしレースの時計は止まらず、既にトレッキングに入っているAdidasとは最低でも8時間もの差が付いてしまう。ただでさえこの4日間Adidasとの2時間の差を埋めるのに相当苦戦しているはず。ここでさらに8時間の差をつけられてしまうのは致命的。
また後続のGearJunkieにも差が詰められるだろう。

1時間前の情報で、既にカヤックに入っていたイーストウインド。
なんとか24kmのカヤックをダークゾーンが始まる前に終えていてもらいたい!!!

同じく1時間前の情報でGearJunkieがCP7を通過したとのこと。現在MTBでカヤックのCP8へ向かっている模様。
East Windとの差は相変わらず5~6時間といったところだと予想できる(いや、そんなにないか?)。4位のBerghausはまだCP7に到着していないが、リタイアしていないのは確か。

トップのAdidasは現地時間16:20(日本時間の午前4:20)、凡そ今から6時間前にCP11を通過して44kmのトレッキングをスタートしている。

現地時間2月15日22:00(日本時間2月16日10:00)現在の最新情報では、

~CP7 Berghaus
→CP7~8 MTB38km GearJunkie
→CP8~10 カヤック24km East Wind
→CP10~11 MTB44km
→CP11~CP12 トレッキング46km Adidas(現地時間4:20にCP11通過)

現地ではこれから夜間なため、今日の日本の夕方まで(現地の夜明け)はなかなか情報が入ってこないかもしれないなぁ・・・・

2013年2月15日金曜日

PER2013 7チームがリタイア、残るは4チームのみ

PER2013の3日目があと3時間ほど(日本時間正午)で終わり、レース中盤の4日目に入る。
現地の天候は悪いらしく、強い雨で標高700m以上では雪が降っているとのこと。気温も相当低いらしい。

主催者曰く、GPSが選手のバックパックの食料に埋もれてトラッキングができないとあるが、天候のせいもあるだろう。これで残念ながら、唯一の情報源は主催者からのFacebookのアップデートのみとなってしまった。
今現在、トップは変わらずのAdidas(英)、その2時間後にEast Wind、6時間後ろにGearJunkie(米)、そしてBerghaus(独)でトップのAdidasがあと2~3時間でCP7に到着するという。
やはりこの前半の118kmの長距離トレッキングに丸2日、48時間近くかかっている。

CP5からは2011年のレースでも通過したコース。
雨が降っていれば全体的に湿地という感じで足元は常に濡れているし、川は増水し、川自体が増える。そしてこのエリアは倒木帯で、倒木には分厚いコケが生えていて、手を置くとグジュっとスポンジのよう。
正直、あのレースでの体験を思い出すだけで嗚咽してしまう。本当にキツかった。
私が肋軟骨を骨折した場所が、まさにここ。夜中に倒木帯で、大きな倒木を乗り越えたときに転倒し、腐った木が私の胸に直撃した。
寒さ、足のマメ、濡れ、永遠に終わらないのではと思える先の見えない藪こぎ・・・  

昨年は比較的天候に恵まれていた。天候が良ければレースはさほど苦しくない。だが天候が悪いと・・・ まさに地獄。

CP5からCP6、2011年の景色。





カメラマンJ.H氏、きつそう。実はこのあとチームからはぐれた・・・

3日目始まりぐらいにトップ集団はCP6を通過し、そこから46km先のCP7を目指していた。
過去24時間に主催者からアップデートが何もなかったのはそのせい。CP6~7の間に主催者がアクセスできる場所は一つもない。
地図を見る限り、川がめちゃくちゃ多いので選手たちは雨と雪の極寒のなか、ずぶ濡れだろう。

昨日の時点で残りは6チームとなっていたが、5位のRedFox(露、昨年完走)、6位のNorCal(米)はCP6の関門にかかりリタイアとなった。よってレース中盤にして、4チームのみの戦いになる。

残念ながら各CPでの関門時間が公開されていないが、今年は例年以上に関門時間が厳しい。
昨年は比較的厳しくなかったように思えるが、PERではレース前半で半数のチームがリタイアとなる設定が通常。それにしても、レース3日目でもう3分の1・・
PERではよくあることだが、最終的にトップチームですら完全完走不可能なコース設定で、終盤のコースがショートカットされたりする可能性がある。

East Windは変わらずAdidasの2時間後ろという情報が正しい情報なら、走行スピードをAdidasとずっと同じにキープしているということになる。
こうなると、やはりトランジットでのタイムロスが大きく影響してしまう。
2年前までのEast Windはナビでミスをすると立ち止まってしまっていたが、昨年から立ち止まることはなくなった。キャプテン田中さんが言うように、常に前進あるのみ、ロストしてもとにかく方角を定めて前へ進む。
それがトップチームの戦い方で、見ている限りEast Windはやはりそれができるチームになっている。

アドベンチャーレースはいつも勝負は後半、まだまだこの先からがレース本番。

このあとCP7でMTBへトランジットし、
→MTB38km
→カヤック24km
→MTB44km
→トレッキング46km
→MTB161km
→トレッキング91km  ←ここからがレース本番!!

最後の91kmのトレッキングが終われば、あとは41kmのカヤックと30kmのMTBでレース終了。
(今回の感じだと91kmのトレッキングでレース終了となる予感がするが・・・)

各セクションの距離が短ければ短いほど、ほかのチームと差をつけることが難しい。
トランジットが非常に多い・・・  
トランジットの所要時間でAdidasから離されないことが重要になってくる。下手したら、トランジットだけで後ろのGearJunkieも迫ってくる。

今日はCP通過のアップデートが沢山ありそう。

現在現地では22時、ちょうど夜間に入る。
MTBのあと、カヤック24kmにAdidasが入る頃はまだ暗闇でダークゾーン(カヤック禁止時間)の可能性が高い。
ここで一番理想的なのは、暗いうちにカヤックスタート地点へ到着してダークゾーンを睡眠時間に充てること。
もし今、現地時間22時(日本時間10時)にAdidasがCP7に到着してMTBスタートし、現地時間24時にカヤックスタート地点に到着すれば、ダークゾーン解除される朝6時まで休むことができる。
よってここで如何に早くカヤックスタートのCP8へ到着して、長く休憩するかがポイントとなってくる。レースも4日目、疲労も相当溜まってきているはず。ここでいつもより長めの睡眠が欲しいところ・・・

恐らく現地時間6時(日本時間2月15日18時)に、AdidasとEast Windが同じタイミングでカヤックに入るのでは。

<レース3日目最終のロースター>
1 - Adidas TERREX Prunesco (UK) - 大会4連覇中、今回5連覇を狙う
2 - EastWind (Japan) - 昨年2位
3 - GearJunkie- Yogaslackers (USA) - 昨年3位

4 - Redfox - Goretex (Russia) - 昨年9位完走
5 - Berghaus (Germany-UK) - 初出場
6 - Norcal Adventure Racing (USA) -2度目の出場、昨年リタイア
7 - Huemul Conservation (USA, South Africa) - 初出場
8 - Kaweshkar (Chile - Region de Magallanes) - 初出場
9 - Four Continents (USA, Kazakhstan, Puerto Rico) - 3度目の出場、完走なし
10 Adventure South Racing (USA) - 初出場

11 Yaganes (Chile - Region de Magallanes) - 初出場

2013年2月14日木曜日

PER2013 3日目へ突入

日本時間の今日の正午よりPER2013が3日目に突入する。
昨夜の情報ではCP4の時点でAdidasが一人勝ちしており、GearJunkieがEast Windを抜いたとあったがそれは誤報で、今朝の最新情報によるとEast Windは2位をキープし、Adidasとの差は2.5km(GPSトラッキングによると)とのこと。

昨日から始まったGPSトラッキング、更新のタイミングがバラバラでなかなか更新されないため、全くあてにならない。現在現地では20時で、AdidasのGPSが前回更新されたのは10時で10時間前、今GPSトラッキングを見るとなぜかEast Windだけが独走している感じ。

現在の最新情報によると、AdidasとEastWindがCP6を通過してCP7に向かっている。

CP4の出発時間
1. Adidas  8:30 AM
2. Eastwind 10:50 AM
3. Gearjunkie 14:15
4. Berghaus 15:40

今回はスタートが深夜零時だったため、初日の夜は殆どのチームが睡眠を取っていたとの情報。
AdidasとEast Windの差が開いていないことからも、Adidasも睡眠を取っていた模様。(でなければ、差はもっともっと開いているはず)

しかし今回のEast Windの食らいつきは本当にすごい。この勢いで最後まで頑張ってほしい!!

Adventure Racing South(アメリカ)がCP1でタイムアウト、Four Continentsも3度目の出場だが氷原をわたっている途中でタイムアウト。
Four Continentsは昨年、日本のナディこと砂田芳子さんがメンバーとして出場したチーム。今年も完走ならず。

2日目にして、既に4チームがリタイア。残りは7チームのみ。

1 - Adidas TERREX Prunesco (UK) - 大会4連覇中、今回5連覇を狙う
2 - EastWind (Japan) - 昨年2位
3 - GearJunkie- Yogaslackers (USA) - 昨年3位
4 - Redfox - Goretex (Russia) - 昨年9位完走
5 - Berghaus (Germany-UK) - 初出場
6 - Norcal Adventure Racing (USA) -2度目の出場、昨年リタイア
7 - Huemul Conservation (USA, South Africa) - 初出場
8 - Kaweshkar (Chile - Region de Magallanes) - 初出場
9 - Four Continents (USA, Kazakhstan, Puerto Rico) - 3度目の出場、完走なし
10 Adventure South Racing (USA) - 初出場

11 Yaganes (Chile - Region de Magallanes) - 初出場

次のCPは7、CP6からの距離は46km。現地ではあと1時間半で日が暮れるので、CP7への到着は日本時間の今日の夕方~夜になるだろう。(現地では昼間、時差は12時間)
CP7はMTBへのトランジットなので通過情報が正確に入ると思う。

因みに、次はMTB38km→カヤック24km→MTB44km→トレッキング46km→MTB161kmと、細かく種目が変わっていく。
そのあとに91km後半のロングトレッキングに入る。

2013年2月13日水曜日

パタゴニアエクスペディションレース2013-みどころ

"The Last Wild Race"と呼ばれるパタゴニア・エクスペディション・レース(PER)が今年も日本時間の2月12日正午にスタートした。(現地時間2月12日深夜零時。)

今年の参加チームは例年よりも少ない11チーム。
通常PERでは15チームまでのエントリーが認められている。昨年は10周年記念大会ということで、20チーム分の枠があった。(出走19チーム)

PER2013エントリーリストはこちら

1 - Adidas TERREX Prunesco (UK) - 大会4連覇中、今回5連覇を狙う
2 - EastWind (Japan) - 昨年2位
3 - GearJunkie- Yogaslackers (USA) - 昨年3位
4 - Redfox - Goretex (Russia) - 昨年9位完走
5 - Berghaus (Germany-UK) - 初出場
6 - Norcal Adventure Racing (USA) -2度目の出場、昨年リタイア
7 - Huemul Conservation (USA, South Africa) - 初出場
8 - Kaweshkar (Chile - Region de Magallanes) - 初出場
9 - Four Continents (USA, Kazakhstan, Puerto Rico) - 3度目の出場、完走なし
10 Adventure South Racing (USA) - 初出場
11 Yaganes (Chile - Region de Magallanes) - 初出場

注目すべきチームは1、2、3の3チーム。
1はおなじみのAdidas TERREX Prunesco(英国(メンバー全員が英国人ではない)、昨年まででPERを4連覇している。
世界ランクでもトップ5には常に入り、毎年キャプテンのNick以外はメンバーが入れ替わっているものの(世界トップクラスのレーサーたちとのネットワークを持っているので、ホームの英国内外から選手を集めてくる)その強さは変わらない。常に「勝つこと」が絶対なチームだ。
2011年までEast Windは彼らの眼中に無いほどだった。2011年の大会では優勝のAdidasと5位のEast Windの差は最終的に丸2日!

3のGearJunkie-Yogaslackers(アメリカ)は、East Windと同じく2010年大会から連続4度目の出場となる。メンバーのうち3人は全4回出場で一人だけ入れ替わっている。
2011年はAdidasに続き準優勝、昨年はEast Windのすぐうしろを常に追っていた。昨年2012年大会ではEast Windにとって一番のライバルだったように思える。彼らはMTBでもカヤックでもEast Windより速かった。結果的に最後のトレッキングセクションでルート選択ミスをし、East Windに追いつかなかったものの微々たる差で3位。

今年は最初のMTBから少し出遅れて4位。MTBセクションでEast Windから1時間も差をつけられている・・・ 恐らくメカトラブルがあった?それかEast Windがそれだけ速かった?
GearJunkie-Yogaslackersはそれほどまでに「勝ち」に拘っているチームではないと思う。
誰も取らないルートや、主催者が推奨しないルートをあえて選んで冒険し、それを心から楽しんでいるチームだ。
冒険が「当たり」と出れば、上手くショートカットして上位に入ることが出来る。
因みに過去にはマップアウトして捜索されたり、昨年は絶対に誰も通らない雪山越え(ショートカット)にチャレンジしたものの、予想以上に困難なルートでタイムロス。うまくいけばEast Windを抜いていたに違いない。
それでも一度はEast Windは追いつかれ・・ しかし食料が尽きたり、吹雪のなかメンバーが滑落して川に落ちたりで大変な思いをしたらしい。(それでも最終的に3位。)
スピード、ナビ力、技術、メンバーのモチベーションは素晴らしいレベル。全米の大会では必ず入賞している。
今年も彼らがEast Windを追い詰めることになると思う。

PER2012 by GearJunkie-Yogaslackersのビデオ
ショートカットしようとした雪山シーンもご覧頂けます。


PER2013スタートから23時間が経過し、すでに2チームがリタイア。
7,Huemul Conservation(アメリカ・南アフリカ)が最初のMTBセクションでロストし、タイムアウト。
次に8.Kaweshkar(チリ)がCP2の関門に間に合わずタイムアウト・・・
実は未だに地元チリからの出場チームは、一度もPERを完走していない。今年も初日でリタイア、残念。

毎年最初のステージでリタイアするチームが必ずいる。
地球の最果ての地までこのレースに参加するためにはるばるやってきて、レース行程10日のうち初日すらクリア出来ない・・・  
それだけレースが厳しい? ん~。 厳しいこともあるかもしれないが、今年の最初のMTBセクションは地図を見る限り難しいナビゲーションも無いし、道から外れることもない。
昨年も同様で、序盤のカヤックでリタイアしたチームの話しを聞くと、どう考えても準備不足としか言い様がない。それでもスタートラインに立った勇気は素晴らしいと思う。
正直、こんなチームでも出場できてしまうんだ!! と、いうほどのチームも参加してくる。
日本でよく「アドベンチャーレースに出場したいけど、自分の体力、または技術レベルはそこまでない」という人がよくいるけれど、多分海外ではそういう人は少ないのでは。
勿論、自己責任なレースなのでそれなりの体力・技術を要する。だからと言って、日本人はやはりとても保守的すぎる部分がある。もうちょっと自信持って、チャレンジ精神持ってもいいんじゃないかと思う。

PERへの出場資格は、主催者がOKするだけ。
ただ、枠数が限られているので誰でも出場できるわけではないが、主催者としては世界中からチームを集めたいため、他に同じ国からの出場チームがいなければ優先的に出場権が得られる。

レーススタートから24時間が経過し、順位はトップAdidas、2番手にEast Wind、3番手Berghaus、4番手GearJunkieとなっている。
CP3へ向かう川の渡渉にてスタッフより、East Windがイギリスの3km後ろにいるとの情報。

CP1通過タイム  MTB→トレッキングのトランジットポイント
1. Adidas-TERREX-Prunesco 到着05:55 出発 06:06
2. EastWind 到着06:10 出発06:46
3. Berghaus 到着06:33 出発07:00
4. GearJunkie-Yogaslackers 到着07:09 出発07:32

Adidasはトランジットを11分で通過しているのに対して、East Windは36分。
GearJunkieも23分、East Windより短い時間でトランジットを済ませている。
長いレースで数時間は大した差ではないが、やはりAdidasは行動スピードも相当速いしEast Windに対する危機感も今回は半端ではない。今回、大会前にAdidasのNickとGearJunkieのメンバーから私にEast Wind偵察のメールが来た。両チームともEast Windを物凄く意識している。
トランジットでのタイムロスはとてもとてももったいない。

第2ステージ:トレッキングセクション
CP2到着順位
1. Adidas-TERREX Prunesco:  到着11:05 出発11:15
2. Eastwind:  到着12:17 出発12:24
3. Berhaus:  到着13:30 出発13:25
4. GearJunkie Yogaslackers: 到着13:35 出発13:40

CP1とCP2で、AdidasとEast Windのタイム差は変わらない、ということはEast WindはAdidasと同じスピードでトレッキングを進んでいる。スゴイ!!

日本時間13:30の今現在、パタゴニアは深夜1:30。
まだレースは始まったばかり!

2013年2月12日火曜日

アドベンチャーレーストレーニングキャンプ&X-Adventure認定会

イベントのご案内です。

ARJS(Adventure Racing Japan Series)トレーニングキャンプ&X-Adventure認定会が4月13(土)~14(日)の二日間、岐阜県郡上町で開催されます。

要はアドベンチャーレースの初心者講習会で、これに参加すればアドベンチャーレースでの競技種目(マウンテンバイク、読図、ロープアクティビティ(懸垂下降)、ラフティング)の基礎が習得出来ます。
ARJSのアドベンチャーレースに出場するにおいて、最低限必要な技術をこの講習会で習得できると言う訳です。

また今年10月に開催される国内最高峰の4日間のアドベンチャーレースX-Adventure(クロスアドベンチャー)では、競技種目のなかでラフティングとロープアクティビティの技術証明書の提出が全選手に対して義務付けられています。と、いう訳でこの「X-Adventure認定会」に参加してトレーニングすれば、技術証明書を取得することが出来ます!

詳細は以下。
日本アドベンチャーレース協会HPよりコピペ
http://www.adventure-race.net/Race/course/cat40/41314arjsx-adventure.html


【開催日】2013年4月13日(土)~14日(日)
【開催地】 岐阜県郡上市美並町
【主 催】㈱アウトドアサポートシステム(ODSS)
【協 力】日本アドベンチャーレース協会
【内 容】
1日目 ナビゲーション、マウンテンバイク
2日目 ロープアクティビティ、ラフティング(X-Adventure技術認定会も同時開催)
【講 師】 
田中正人(プロアドベンチャーレーサー)
高梨雅幸(ARJS岐阜長良川大会コースディレクター)
梅本徹(ODSS)
その他
【参加対象】
マウンテンバイク・・・登り/下りに自身がない
オリエンテーリング・・・・コンパスの使い方、地図の読み方が分からない
ロープアクティビティ・・・やった事がない、自信がない、X-Adventureの認定希望者
ラフティング・・・やった事がない、自信がない、X-Adventureの認定希望者
【参加費】  
●1日目 7,000円
●2日目 9,000円
【装備レンタル費】
※マウンテンバイク&ヘルメットのレンタル代 3,000円
※ハーネス+下降器+カラビナのレンタル代  1,000円
※コンパスのレンタル代 500円
※両日の朝食と昼食は各自でご用意ください。
【宿泊について】
■リバーベース長良川仮眠所(相部屋) 500円
※宿泊キャパに制限がありますので、エントリーの早い方から予約を受付ます。
■河原駐車スペースでのテント泊 無料
【その他近隣の宿泊施設(各自で手配をお願い致します)】
緑風荘
ホテルマリーバル石金 
フォレストパーク373 
粥河バンガロー村 
【夕食&交流会】
ODSSにてBBQ!食事はご提供いたしますが、飲み物、おつまみ等は各自にてご持参ください。
◆交流飲食代 1,500円(アルコール類は持参)
※この交流会で是非チームメイトを探してください!
【受付集合】
09:00 ㈱アウトドアサポートシステム リバーベース長良川
※4月13日(1日目)も4月14日(2日目)も同じ場所です。
※1日目はマウンテンバイクで出られる準備をしてから、受付にお越しください。
【送迎について】
駅までの送迎あり。ご希望の方は①②のどちらをご希望かエントリーの際ににご連絡ください。
①長良川鉄道越美南線八坂駅
②JR岐阜駅(現地まで1時間かかりるので8時集合)
【ナビゲーションの持ち物】
●コンパス(プレートコンパスが使いやすい。スント、シルバ、レクタなどの一流メーカーの製品が信頼できる)(レンタルあり)
●フリースジャケット(マイクロ100程度のもの。防寒用の中間着として大変有効です)
●レインウエア(ゴアテックスなどの透湿防水性のものを勧めます)
●防水マップケース(ジップロックで代用可)
●水筒(キャメルバッグに代表されるチューブ付きタイプが便利。2リットルくらいの容量を勧める)
【マウンテンバイクの持ち物】 
●マウンテンバイク(レンタルあり)
●ヘルメット(レンタルあり)
●手袋(軍手でもOK)
●靴(自転車に適したもの、スニーカーでも可)
●ゴーグル、スポーツ用グラス(必須ではないがあると良い)
●運動にふさわしい服装(長袖、長ズボンで肌の露出しないもの)(おそらく泥で汚れます)
●あれば携帯用の工具、ポンプ、スペアチューブ
【ラフティングの持ち物】
●水着(要はウエットスーツの下に着用)
●濡れてもよい靴(スニーカーや踵が固定できるスポーツサンダル等)
●眼鏡の方はメガネバンド、コンタクトレンズの方は水泳用ゴーグル
【ロープアクティビティの持ち物】
●クライミングハーネス(レンタルあり)
●下降器(レンタルあり)
●セルフビレイ用のスリング2本(レンタルあり)
●安全環付カラビナ3枚(レンタルあり)
●グローブ(なければ軍手でも良い)
●ヘルメット(マウンテンバイクと兼用可)
【全種目共通の持ち物】
●飲料水と行動食
●持ち帰り用ゴミ袋
●タオル
●保険証またはそのコピー
●宿泊される方は、夕食用の各自の飲み物(近くにコンビニあり)
【その他】
●1日目に参加の方は昼食
●2日目に参加される方は昼食(1日目に参加で電車でお越しの方は夕方にコンビニまで送迎車を出します)
※持ち物がよく分からない場合は無理に購入せず、レンタルを推奨します また質問がありましたら、どんな細かい事でも構わないので、遠慮なくお問合せください。
【申込方法】
1)こちらからお申込みください。
http://www.adventure-race.net/entry-form.html
※必ずイベント名をご記入ください。
A) 2日間参加される場合は、イベント名の欄に「ARJSトレーニングキャンプ&X-Adventure認定会」とご記入ください。
B) 4月13日(土)のみに参加される場合は、イベント名の欄に「ARJSトレーニングキャンプ1日目のみ」とご記入ください。
C) 4月14日(日)のみに参加される場合は、イベント名の欄に「X-Adventure認定会 2日目のみ」とご記入ください。
※装備のレンタルを希望される場合は、「希望レンタル品」の欄に、レンタル希望品をお書きください。
※リバーベース長良川にて宿泊を希望される方は「備考」の欄に「宿泊:リバーベース長良川」とお書きください。
※1日目の夜の交流会に参加希望の方は「備考」の欄に「交流会参加」とお書きください。
2)受付を完了次第、事務局よりメールにてご連絡をいたします。まれに入力エラーを起こし、届いていない場合もあります。エントリーをされてから3日以内に返事がない場合は、事務局にご連絡ください。
3)返信にてご案内する口座に参加費をお振込みください。講習会当日の現金でのやり取りは致しかねますのでご了承ください。
※当サイトよりお申込み頂いた方で、3日以内に事務局より連絡のない場合は、info@adventure-race.netにご連絡をください。システム上、うまく送信されていない場合がございます。
【申込〆切日】 2013年4月6日(土)
【振込先】 お申込み確認後、こちらからメールでご案内いたします。
※お振込を確認次第、正式参加とさせていただきます。
【キャンセル】
◆講習会参加をキャンセルする場合、4月6日(土)までのキャンセルは全額返金いたします(ただし返金の振り込み手数料は引かさせていただきます)。
◆4月7日(日)~11日(木)までのキャンセルは参加費の50%、12日(金)~当日にキャンセルされる場合は参加費の100%のキャンセル料が発生しますので、あらかじめご了承ください。
【問合先】
日本アドベンチャーレース協会
〒379-1611 群馬県利根郡水上町鹿野沢637-M302
TEL&FAX             0278-72-9292        
担当:竹内靖恵
E-Mail:info@adventure-race.net

2013年2月7日木曜日

Team EASTWIND 四度目のパタゴニア

私が昨年までお世話になっていた日本で唯一のプロアドベンチャーレースチームTeam EAST WINDが、今年も2月3日に最果ての地パタゴニアへと旅立った。



今年の参戦は2010年から4年連続の4回目となり、私は2年目(2011)、3年目(2012)と2度出場させて頂いた。

2010年初挑戦では16チーム中、最後の完走チームとして7位。
2011年、「5位以内の完走」を目標に掲げた結果、15チーム中5位(完走6チーム)。
2012年、「3位以内の完走」を目標に掲げた結果は19チーム中準優勝となった。
そして今年の目標は、勿論「優勝」。

これまで公言通りに目標を達成してきたこと、キャプテン田中正人氏とエース陽希がこのレース積み上げてきた経験値を考えれば、優勝は十分射程圏内。

なぜTeam EASTWINDがこれまでにこの大会での優勝に拘るのか。
答えは簡単、今日世界で行われているアドベンチャーレースのなかで最もワイルドで、「真のアドベンチャーレース」だからだ。
私は現役時代にパタゴニアレースに2回、世界選手権に1回出場した。
NHKの取材も入った初めて出場したパタゴニア(2011)のときは、「なんでも来い!」と覚悟はしていたものの、パタゴニアの自然の厳しさに打ちのめされて怪我をして帰ってきた。
あんなに苦しい思いをしたことは無かったが、ゴールしてそれ以上の感動も覚えたし、得たものも計り知れなかった。
同年の11月、豪州タスマニア島で開催された世界選手権に出場し、参戦90チーム中目標の20位で完走。「タスマニア島の手付かずの大自然」で行われたこの大会は、運営体制はそれはそれは素晴らしく、細かく設定されたトランジットでは殆ど室内で着替えることができ、すべてのトランジットにトイレも完備されていた。
とにかく素晴らしい運営体制で至れりつくせりだった。

それがいけない、という訳ではない。
パタゴニアに比べると管理されすぎていて、アドベンチャーレースの本質的な部分が少々足りない気がしてしまった。しかしそもそも「アドベンチャーレースとは」という定義すら曖昧で、これはあくまでも個人的な志向なのだが、私がイメージしている(キャプテン田中さんもそうだと思う)冒険的なアドベンチャーレースは、まさにパタゴニアレースなのだ。
実際に世界トップレベルチームも毎年パタゴニアに参戦し、初戦は必ずといって良いほど大抵は打ちのめされる。

「こんなレース、二度と出てたまるか!」と捨て台詞を吐いて二度と戻ってこないか、リベンジにやってくるかどちらかだ。(そのくらい酷い運営体制・・・)
実はTeam EAST WINDも、2010年に初参戦しての帰国報告会にて「二度と出ません!」と公言していたが、NHKが取材に入ることになり再挑戦することになった。
そして、この大会で優勝するまでは出場し続けようと誓った。
このレースこそ本当に厳しく美しい未開の大自然が舞台であり、主催者がどうのこうのではなく、自分たち自身の力が試される。
はっきり言って主催者がどうだというのは言い訳にしかならない。全チーム、同じコンディションで戦っているのだから。

パタゴニアレースでTeam EAST WINDは成長し、世界のトップチームと競り合うまでになった。
1年半だけだが私はTeam EAST WINDで活動して、本当に色々なことがあり(特に人間関係)、エースの陽希は凄まじい成長を遂げてみせた。(陽希と私は正に「犬猿の仲」で相当喧嘩もしてぶつかりあった・・・ 詳細はここでは割愛。真っ向からぶつかった御蔭で、私も成長できたし陽希という人間が最終的には大好きになった。)
この大会で優勝することは、Team EAST WINDにとってもひとつの大きな区切りとなるのではないかと思う。

二人の新メンバー、ヤマキーとアケちゃんにとっては物凄いプレッシャーだと思うが、この二人は優勝あるのみという目標をしっかりと持っていて自分の役割を全うするつもりでいる。
だからこのメンバーなら、優勝できると私は思う。

レースは2月12日にスタート。
Team EAST WINDは準備と情報収集のために1週間前に現地入りしている。日々のチーム様子はメンバーのヤマキーが自身のブログにて、日本にいるマネージャーの竹内さんによりEAST WINDプロダクションのホームページで紹介しているので是非ご覧頂きたい。

山北道智のブログ 「Outdoor Experience
EAST WIND Productionお知らせページ

<レースのスケジュールはこちら>
2月4日~7日 チーム到着、装備と書類チェック
8日 装備チェック
9日 昼間-装備チェックにて足りなかった装備の装備チェック
    夕方-開会式、キャプテンへのブリーフィング、地図配布
10日 ドロップバッグの提出
11日 スタート地点へ移動
12日 レーススタート

パタゴニア・エクスペディション・レースは前にも書いたように、まず運営体制が酷い!
しかしそれだけではなく・・・ 本当に未開の地で行われ、主催者でもチームの動きを把握できないことさえある大自然なため、レース中の主催者からの情報も非常に限られてる。例えばチェックポイント(CP)にチームが到着しても、CPにはインターネットは無いしそこにいるスタッフでも本部とはなかなか連絡が取れない状況(場所)だったりする。(このレースのスタッフは本当に大変。)
もちろんレース中に選手へ応援メッセージを送ることも不可能。
(世界選手権では「ブログ義務」のトランジットがあって、そこでは必ず全チーム主催者が用意するブログになにかしらアップして、応援メッセージを受け取ることも出来た!が、パタゴニアは訳が違います。。)
なので、日本で応援している皆さんはとても限られた情報源からしかレースの情報を得ることができないことを承知して頂きたい。一番早い情報源はコチラ。

パタゴニア・エクスペディション・レース公式HP 
Team EAST WINDマネージャー竹内靖恵さんのツイッター
Team EAST WIND(EAST WIND Production) HP

私同様、昨年チームを引退したクラッチことトレイルランナーの倉田文裕も、最近の自身のブログでチームを応援しているのでそちらも是非ご一読ください。
倉田文裕オフィシャルブログ 「Passo a Passo 一歩一歩」